成田病院
 
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  体外受精の成績

平成18年度末時点で体外受精治療を実施している登録施設(病院やクリニック)は641施設あります。成田病院では、平成3年に体外受精による不妊治療を始め、平成5年に胚凍結をスタートさせました。
平成4年にICSI(卵細胞質内精子注入法)が開発される前の方法(PZD)で顕微授精を始め、平成7年から、ICSIが軌道に乗りました。顕微授精を行っていない施設からの紹介も多く、採卵件数の半数以上が、顕微授精となりました。平成10年からは無精子症の男性への精巣精子や精巣上体精子を使ったICSIもおこなっています。胚盤胞移植も平成10年からおこなっています。

平成10年から平成19年の新鮮胚移植による妊娠率を下記に示します。この数は、種々の排卵誘発方法や、すべての年齢層が含まれています。平成9年以降は、年間の採卵が1,000件を超え、融解胚移植も400件前後行っています。

■成田病院での体外受精治療(新鮮胚移植)による妊娠率(顕微受精含む)

.
H10年
H11年
H12年
H13年
H14年
H15年
H16年
H17年
H18年
H19年
H20年 H21年
治療
周期数
1177
1219
1171
1305
1517
1344
1317
1397
1343
1364 1386 1230
採卵数
1120
1134
1126
1246
1395
1252
1227
1305
1281
1306 1302 1165
胚移植 数
883
918
906
925
1038
929
932
952
899
948 907 785
妊娠数
258
316
256
226
365
301
305
333
291
246 278 214
採卵
あたりの
妊娠率
(%)
23.0
27.9
22.7
18.1
26.2
24.0
24.9
25.5
22.7
18.8 21.4 18.4
胚移植
あたりの
妊娠率
(%)
29.2
34.4
28.3
24.4
35.2
32.4
32.7
35.0
32.4
25.9 30.7 27.3


■生まれた赤ちゃんの人数
.
体外受精
顕微授精
融解胚移植
合計
平成3年
8
8
平成4年
61
61
平成5年
80
6
2
88
平成6年
96
9
16
121
平成7年
69
64
28
161
平成8年
111
134
42
287
平成9年
106 178 90 374
平成10年
102 149 94 345
平成11年
112 216 97 425
平成12年
98 169 91 358
平成13年
76 138 70 284
平成14年
109 279 77 465
平成15年
83 221 88 392
平成16年
86 185 129 400
平成17年
109 194 123 426
平成18年
95 137 137 389
平成19年
58 141 143 342
平成20年
72 127 182 381
平成21年
68 85 272 425
平成22年
64 71 252 387
1663 2503 1933 6099


■平成21年 年齢別治療成績
.
刺激
周期数
採卵
周期数
胚移植
周期数
妊娠
周期数
生産
周期数
採卵率
胚移植
妊娠率
生産率
30歳未満

77

76
44
21
19
99%
57%
27%
25%
31歳〜34歳
300
290
213
68
56
97%
71%
23%
19%
35歳〜39歳
442
429
314
89
60
97%
71%
20%
14%
40歳以上
415
372
214
36
17
90%
52%
9%
4%


成績は年齢によって、大きく変わります。その原因にはふたつあります。ひとつには、年齢とともに排卵誘発剤の効きが悪くなり、採卵できる卵子数が減少するからです。一周期に得られた卵子の数は、20歳代10.6±6.6個、30歳代前半8.5±6.4個、30歳代後半6.5±5.6個、40歳以上で3.4±4.0個でした。そのため、40歳代では、胚移植まで進めたのは、約半数でした。女性が卵巣に持っている卵子の数は、胎児期から次第に減少するのが自然ですが、一般的に30歳代後半から、減少のスピードが加速されるからです。

もうひとつは、着床の間題です。胚移植できた周期あたりの妊娠率も、年齢とともに下がってしまいます。受精して、顕微鏡で観察すると良好胚になっていても、着床できる確率は、年齢と共に低下しています。それは卵子自体の加齢により、異常な卵子の割合が増えてしまうからと言われています。

一回日の体外受精で妊娠できなくても、34歳以下なら、3回で約60%、5回で約80%の方が、妊娠されています。一回であきらめずに数回繰り返しチャレンジされるとよいでしょう。ただし、40歳以上では、5回でも20%ほどの妊娠率です。

閉経までには10年以上あり、排卵も月経も順調な時でも、卵子の数と質の低下という加齢変化はすべての女性に起こってきます。体外受精治療以外には妊娠の可能性の無いご夫婦であれば、30歳代前半には治療を始められることをお薦めします。40歳代になって体外受精を始めようとされるご夫婦は、30歳代とは成功率が異なることを理解されたうえで体外受精法を受けて下さい。


■胚盤胞移植
平成17年1397周期の体外受精採卵のうち、378周期の方が胚盤胞培養をされました。分割胚2299個を培養して胚盤胞に発育した割合(胚盤胞到達率)は、51.6%でした。胚盤胞で移植または凍結できたのは739周期で胚盤胞利用率は62.3%でした。胚盤胞移植あたりの妊娠率は38.8%でした。


■多胎妊娠率について
体外受精治療における移植胚の数について、従来は妊娠率が最も高いとされる3〜4個の胚を移植していました。しかし多胎となると低体重児の出生、妊娠高血圧症候群、早産の発生率が高くなったりします。多胎妊娠を防ぐために単一胚移植を行うように日本産婦人科学会より以下のようなカイドラインが出されました。
<<日本産婦人科学会のガイドライン>>
生殖補助医療の胚移植において、移植する胚は原則として単一とする。ただし35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては、2胚移植を許容する。治療を受ける夫婦に対しては、移植しない胚を後の治療周期で利用するために凍結保存する技術のあることを、必ず提示しなければならない。


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