診療案内

不妊専門外来

体外受精の成績

平成26年末に体外受精治療を実施している施設(病院やクリニック)は574施設あります。成田病院では、平成3年に体外受精による不妊治療を始め、平成5年に胚凍結をスタートさせました。
平成4年にICSI(卵細胞質内精子注入法)が開発される前の方法(PZD)で顕微授精を始め、平成7年から、ICSIが軌道に乗りました。平成10年からは無精子症の男性への精巣精子や精巣上体精子を使ったICSIも行っています。胚盤胞移植も平成10年から行っています。

平成16年から平成26年の新鮮胚移植による妊娠率を下記に示します。この数は、種々の排卵誘発方法や、すべての年齢層が含まれています。平成9年以降は、年間の採卵が1,000件を超え、平成27年からは2,000件を越えています。
融解胚移植は平成27年には1,400件を越え新鮮胚移植より多くなっています。

成田病院での体外受精治療(新鮮胚移植)による妊娠率(顕微受精含む)

生まれた赤ちゃんの人数

平成26年 年齢別治療成績

成績は年齢によって、大きく変わります。その原因にはふたつあります。ひとつには、年齢とともに排卵誘発剤の効きが悪くなり、採卵できる卵子数が減少するからです。一周期に得られた卵子の数は、20歳代10.6±6.6個、30歳代前半8.5±6.4個、30歳代後半6.5±5.6個、40歳以上で3.4±4.0個でした。そのため、40歳代では、胚移植まで進めたのは、約半数でした。女性が卵巣に持っている卵子の数は、胎児期から次第に減少するのが自然ですが、一般的に30歳代後半から、減少のスピードが加速されるからです。

もうひとつは、着床の間題です。胚移植できた周期あたりの妊娠率も、年齢とともに下がってしまいます。受精して、顕微鏡で観察すると良好胚になっていても、着床できる確率は、年齢と共に低下しています。それは卵子自体の加齢により、異常な卵子の割合が増えてしまうからと言われています。

閉経までには10年以上あり、排卵も月経も順調な時でも、卵子の数と質の低下という加齢変化はすべての女性に起こってきます。体外受精治療以外には妊娠の可能性の無いご夫婦であれば、30歳代前半には治療を始められることをお薦めします。40歳代になって体外受精を始めようとされるご夫婦は、30歳代とは成功率が異なることを理解されたうえで体外受精法を受けて下さい。

胚盤胞移植

平成27年2,202周期の体外受精採卵のうち、962周期の方が胚盤胞培養をされました。分割胚4,014個を培養して胚盤胞に発育した割合(胚盤胞到達率)は、55.3%でした。胚盤胞で移植または凍結できたのは644周期で胚盤胞利用率は63.3%でした。新鮮胚盤胞移植あたりの妊娠率は33.3%で、凍結融解胚盤胞移植あたりの妊娠率は45.3%でした。

多胎妊娠率について

体外受精治療における移植胚の数について、従来は妊娠率が最も高いとされる3~4個の胚を移植していました。しかし多胎となると低体重児の出生、妊娠高血圧症候群、早産の発生率が高くなったりします。多胎妊娠を防ぐために単一胚移植を行うように日本産婦人科学会より以下のようなカイドラインが出されました。

<<日本産婦人科学会のガイドライン>>
生殖補助医療の胚移植において、移植する胚は原則として単一とする。ただし35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては、2胚移植を許容する。治療を受ける夫婦に対しては、移植しない胚を後の治療周期で利用するために凍結保存する技術のあることを、必ず提示しなければならない。

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