名古屋の不妊治療・体外受精の産婦人科

名古屋の不妊治療・体外受精の産婦人科「成田産婦人科」

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検査

不妊基礎検査(種類と検査時期)

不妊検査を月経周期に合わせて、いつ受けるのか、どのような種類があるのかをご紹介します。

不妊基礎検査(種類と検査時期)の図

不妊基礎検査の内容

検査の順序や詳しい内容、注意事項などは来院後にご説明いたします。

検査項目 検査時期 検査の目的・内容
① 問診・内診 初診または
必要時
初めての来院時、問診表にご記入をお願いします。
これまでの病歴や手術歴の有無、治療歴などをお聞きします。
医師の内診や超音波検査などで子宮・卵巣の状況をチェックして
治療方針を相談します。
② 超音波検査 低温期~高温期 低温期には卵胞・内膜の発育状態を見ます。
また、卵巣の腫瘍や子宮筋腫などを確認できます。
③ 基礎体温表 毎日計測 体温の変化によって排卵の有無や高温期の状態を確認します。
治療を進める上で大事な情報となります。
④ FSH 生理3~5日目 卵巣機能(卵胞刺激ホルモン)を調べます。
⑤ LH 生理3~5日目 卵巣機能(黄体形成ホルモン)を調べます。
⑥ 子宮卵管造影 生理後の低温期 卵管の通過性、子宮内腔の形などを確認します。
⑦ 卵管通水検査 生理後の低温期 卵管の通過性の簡易的な確認や
内膜ポリープの有無などを確認します。
⑧ フーナーテスト 排卵期 排卵期に分泌される頸管粘液と精子の相性を見ます。
⑨ プロゲステロン 高温期中期 黄体ホルモンの分泌状況を見ます。
妊娠にとって重要なホルモンです。
⑩ プロラクチン 随時 乳汁分泌ホルモンです。
通常より高値になると排卵に悪影響を及ぼすことがあります。
⑪ AMH
(抗ミューラー管
ホルモン)
随時 卵巣内の前胞状卵胞から分泌されるホルモンで、女性の卵巣年齢(卵子がどのくらい残っているか)の指標と考えられています.また、卵巣の手術でも低下します。
⑫ 精液検査 排卵期以外 精液中の精子数・運動率・正常形態率を見ます。
⑬ 子宮がん検査 生理中以外 子宮頚がんの検査です。
⑭ 抗精子抗体 随時 女性の体内で精子と結合して不動化させ、
受精を妨げる抗体の有無を調べます。
⑮ 風疹抗体 随時 妊娠初期に風疹にかかると胎児に影響することがあります。
妊娠を希望のカップルは検査をお勧めします。
⑯ クラミジア検査 随時 性感染症で感染しても無症状であることが多く、
上行性に感染すると卵管炎や卵管水腫の原因になります。
⑰ TSH
  (甲状腺検査)
随時 甲状腺機能の状況を採血で検査します。
⑱ その他 随時 染色体検査(採血)、テストステロンやDHEA-S(採血)、
ブドウ糖負荷テスト(採血)などの検査も必要に応じて行います。

特殊不妊検査と治療

子宮鏡検査

先端にカメラがついた細い管状の器具(4mm)を
子宮の中に挿入して直接内膜の状況を見ていきます。
超音波検査ではわからなかった内膜の状況を見ることができます。
原則、麻酔なし、日帰りで行います。

子宮鏡検査の画像

子宮鏡下選択的卵管通水検査

子宮卵管造影検査で、卵管の根元(子宮付着側)で閉塞と診断された場合、
本当に卵管が閉塞しているのか、それとも反射的な収縮によるものか、
より詳しく卵管の通過性を確認します。原則、麻酔なし、日帰りで行います。

子宮鏡下選択的卵管通水検査の画像

子宮鏡下内膜ポリープ切除術

子宮鏡検査と同様に子宮鏡を通して
子宮内を観察しながらポリープの場所と大きさ、数などを確認します。
スネア(ワイヤーでできたループ状の器具)をポリープにひっかけ、
引っ張ることで切除します。原則、麻酔なし、日帰りで行います。
※ポリープの硬さや大きさ、位置関係、数などによっては、スネアで切除できない場合もあります。

子宮鏡下内膜ポリープ切除術の画像

反復着床不全の検査

反復着床不全とは

40歳未満の方が良好な受精卵(胚)を4回以上移植した場合、80%以上の方が妊娠されるといわれています。そのため良好な胚を4個以上かつ3回以上移植しても妊娠しない場合を反復着床不全と診断されます。
着床不全の原因の多くは受精卵(胚)の問題と考え得られておりますが、子宮内環境の問題や受精卵を受け入れる免疫寛容の異常などの子宮側の要因で着床できない例も考えられます。

着床不全の原因

受精卵(胚)の問題

子宮内環境の問題:A/B/C/D

受精卵を受け入れる免疫寛容の異常:E

  • A.子宮鏡
  • 月経終了後から排卵前までの時期
    子宮に直接カメラを入れ子宮内の炎症の有無や極小のポリープの有無、子宮の形態などを確認します。細いカメラのため、痛みは少なく結果も直ぐに聞くことが可能です。
  • B.慢性子宮内膜炎
  • 月経終了後から排卵前までの時期
    子宮内膜の組織を採取し、病理検査に出し慢性子宮内膜炎の有無を確認します。外来で実施できますが、痛みを少し伴います。炎症があった場合、抗生剤の内服治療が必要です。
  • C.子宮内膜受容能検査/ERA
  • 移植を実施している時期が適しているのかを遺伝子レベルで確認する検査です。移植周期と同じようにホルモン補充周期で準備し、移植日と同じタイミングで組織を採取します。
    結果が出るまでに2週間ほどかかり、料金が高いのが難点です。
  • D.子宮内フローラ検査/EMMA
    感染性慢性子宮内膜炎検査/ALICE
  • 子宮内は無菌状態であると考えられてきましたが、近年、子宮内にも細菌叢が存在することがわかってきました。善玉菌であるラクトバチルスの減少は、着床不全や流早産と関連することが示唆されています。結果に応じて抗生剤やラクトフローラの内服または腟錠が必要になります。ERAと同時に実施可能です。
  • E.免疫検査:Th1/Th2、ビタミンD
  • 月~木の午前中のみ/祝日前も不可
    受精卵を受け入れる免疫寛容に異常がないかを確認します。異常があった場合は移植時にタクロリムスという薬の内服を行います。
    ビタミンD不足は卵子の質の低下や不育症に関与しているという報告があります。

不育症とは

「不育症」とは、妊娠したものの流産や死産を2回以上繰り返し、元気な赤ちゃんを分娩することができない状態をさし、3回以上の連続した流産を習慣流産、2回続けての流産を反復流産と呼びます。通常、化学妊娠(化学流産)は不育症の流産回数には含めません。
流産の多くは受精卵の偶発的な染色体異常で起こることが知られ、この流産は治療で防ぐことはできません。自然流産が3回以上続く場合は、その原因に母体側にもある可能性もあり、検査が必要となってきます。
不育症についてはまだ分かっていないことが多く、検査を行っても大半は原因が特定できないとされます。しかしながら、不育症の方が検査を行うと、一定以上の頻度で見られる異常があり、「これらの因子があると流産しやすい」という意味で「リスク因子」と呼ばれています。

不育症のリスク因子

  • 内分泌検査
  • 甲状腺ホルモンや糖尿病などの検査を行います。

    検査項目:TSH、FT4、75gOGTT など
  • 子宮形態異常
  • 子宮に形態異常があると流産の可能性が上がることが指摘されています。

    検査項目:子宮鏡、子宮卵管造影
  • 凝固異常
  • 血液凝固が妊娠中に起こりやすい場合には血流が悪くなり流産が増加します。

    検査項目:抗核抗体、抗CLβ2GPI複合体抗体、抗カルジオリピンIgG抗体、ループスアンチコアグラント、ループスアンチコアグラント、プロテインS活性、プロテインC活性、抗カルジオリピンIgM抗体 など
  • 免疫学的異常
  • 不明不育症の中にはNK細胞やT細胞などの免疫学的異常、すなわち母体が妊娠に対して異物反応を起こすことが知られています。

    検査項目:Th1/Th2、NK細胞活性
  • 染色体異常
  • 受精卵は高率にまた偶発的に染色体異常が発生し多くの流産の原因となりますが、治療の方法はありません。
    ただ、染色体異常の中には、赤ちゃんの両親のどちらかに染色体異常がある場合があります。

    検査項目:夫婦の染色体検査
  • 慢性子宮内膜炎
  • 軽度の炎症が慢性的に子宮内膜に起こっている場合、着床不全や妊娠初期の早期における流産の原因のひとつとして考えられています。

    検査項目:子宮内膜の病理検査