培養部門

高い実績と技術があります。

当院では、1991年から体外受精を始め、多くの赤ちゃんが生まれています。
2020年までの累積採卵件数は39,000件以上です。
凍結胚移植周期では2019年には1年間に2,200件を超えています。
当院には日本哺乳動物卵子学会認定の生殖補助医療胚培養士が10名以上在籍しています。
顕微授精は熟練培養士(勤続年数10年以上の培養士)が実施しています。

成田産婦人科の採卵件数のグラフ 成田産婦人科で生まれた赤ちゃんの人数のグラフ

合計11,596α人の赤ちゃんが誕生

2008年までは新鮮胚移植が多く、それ以降は凍結胚移植が増え、現在では凍結胚移植で妊娠、出産される方が多くなっています。

ご夫婦に合わせた治療方針を提案します。

当院では、ご夫婦の希望や過去の既往歴などを考慮し、培養士と相談しながら受精方法(媒精・顕微授精・split※)を決めます。
わからないことや不安に思うことがあれば、その都度ご相談ください。
※split…媒精と顕微授精を半々もしくは適宜な割合で行うこと。

他施設とも連携して行います。

無精子症と診断された方には、他施設の泌尿器科と連携し、TESE(精巣内精子回収法)やMESA(顕微鏡下精巣上体精子吸引法)で精子を回収し、凍結しておきます。
その精子を用いて顕微授精を行い、多くの出産例を得ています。

安心の体制

取り違えなどが起きないように、すべての業務でダブルチェック体制をとっています。

採卵の流れ

採卵当日〈DAY0〉

採卵

穿刺して採取された卵胞液から卵子を探し、培養液に移して培養します。

成熟卵子

成熟卵子の画像

未熟卵子

未熟卵子の画像01 未熟卵子の画像02
精液処理

当日採精した精液を用いて、運動精子のみを集める処理を行います。処理後集まった精子の数に応じて、顕微授精適応になる場合もあります。(当日採精できない場合は事前に精子を凍結しておきます)

①採卵後、受精方法(媒精・顕微授精・split)の相談をします。
  • HOST(hypoosmotic swelling test)とは

    精子不動症には2種類あり、①精子が死んでいる②鞭毛(精子が運動するための組織)の発育不良があります。①の精子は死んでいるので受精できません。②の精子は運動機能に障害があり、動けないだけで生きている精子なので、顕微授精をすることにより受精させることができます。
    生存精子かどうかを確認する方法がHOST(hypoosmotic swelling test)です。

  • 人為的卵子活性化(カルシウムイオノフォア)とは

    過去の体外受精で、複数の卵子に顕微授精を行っても一つも受精卵が得られなかった場合、精子の卵子活性化能に障害があるとも考えられます。精子の卵子活性化能障害例に対して行われるのが人為的卵子活性化法です。
    当院では、カルシウムイオノフォア処理法で行います。
    これは、卵子が活性化される時に起こる卵細胞内のカルシウムイオン濃度の増加を、カルシウムイオノフォアという薬剤を用いて人為的に起こさせる方法です。

採卵翌日〈DAY1〉

受精の観察

媒精や顕微授精から16〜18時間後に前核を確認します。

正常受精(2PN)

正常受精(2PN)の画像
②受精の結果をお伝えし、今後の相談をします。

〈DAY2〉または〈DAY3〉

分割胚凍結・移植

分割胚移植の画像01
〈DAY2〉

分割胚移植の画像02
〈DAY3〉

〈DAY5-6〉

胚盤胞凍結・移植

胚盤胞培養を行った場合、全ての胚が胚盤胞になるわけではなく発生率は6割程度です。

胚盤胞移植の画像
二段階胚移植

分割胚移植と胚盤胞移植を同じ周期に行う移植方法です。
反復不成功例の場合のみ行っています。

③移植前に胚の説明をします。移植をされなかった方で、胚盤胞培養をされた方には採卵8日目以降に電話または成田産婦人科(セントソフィア通院の方も)で説明します。

※2018年7月より、日本産婦人科学会の全国調査において、2015年の胚移植あたりの妊娠率は、新鮮胚20.8%、凍結胚33.2%、出生児数は新鮮胚10,390人、凍結胚40,599人と凍結胚移植の方が良好な成績であったことを踏まえ、当院でも全胚凍結後に融解胚移植を行うことを基本方針としました。ただし、医師と相談の上、新鮮胚移植も行っています。

当院の成績

凍結胚移植の移植率・妊娠率・生産率(2019年)

凍結分割胚移植(F-ET)
成田産婦人科の凍結分割胚移植のグラフ
凍結胚盤胞移植(F-BT)
成田産婦人科の凍結胚盤胞移植のグラフ

凍結分割胚移植(F-ET)より凍結胚盤胞移植(F-BT)の妊娠率、生産率が高いのは、分割胚を追加培養して胚盤胞にまで育った胚のみを凍結して融解したのち胚移植を行うためです。

胚凍結

分割胚または胚盤胞を凍結します。例外として、採卵当日に精液が採取できなかったり、生存精子を確認できず受精させることができない場合に限り、卵子凍結を行うことがあります。凍結した未受精卵を融解後、顕微授精した場合の胚盤胞発生率は、通常の顕微授精よりも低下する傾向にあります。

凍結方法

現在、日本の大多数の施設で用いられているガラス化保存法は、
胚を直接液体窒素に接触させるオープン法であり「超急速ガラス化保存法」
と呼ばれています。
当院では2013年7月以降はVitrolife社のRapid-i™を使用して、
液体窒素に接触することのない完全クローズ法を行っています。

凍結方法の図

凍結胚移植

①凍結分割胚移植

凍結した分割胚を排卵日(ホルモン補充周期の場合は黄体補充開始1日目)をDay0として、Day2またはDay3の子宮内に移植します。

②凍結胚盤胞移植

凍結した胚盤胞を排卵日(ホルモン補充周期の場合は黄体補充開始1日目)をDay0として、Day5の子宮内に移植します。

採卵後Day2に凍結した分割胚はDay2に、Day3に凍結した胚はDay3に移植します。
採卵後Day6やDay7に凍結した胚盤胞もDay5の子宮内に移植します。胚と子宮内膜を同期させることで妊娠率が上がるためです。新鮮胚移植の予定の方でも、Day6やDay7で良好な胚盤胞に育った時は凍結をしています。

凍結胚盤胞移植の図

③二段階凍結胚移植

①と②をあわせた移植方法です。同周期に2個の胚を移植するため多胎のリスクがあります。
反復不成功例の場合のみ行っています。

④子宮内膜刺激胚移植法(SEET法)

二段階凍結胚移植の代わりに考えられた方法がSEET法です。
採卵周期に胚盤胞とその培養液を別々に凍結保存し、胚移植周期の2日目に培養液を、その3日後に胚盤胞を移植する方法です。
この有効性については、今後症例を重ねる必要があります。

レーザーアシスティッドハッチング(AH)

レーザーアシスティッドハッチングの画像

卵細胞は透明帯というゼリー状の物質に取り囲まれています。 子宮の内膜に着床するためには、透明帯から脱出(孵化)することが必要になります。 脱出を補助するために透明帯を薄くしたり、穴をあけたりする手段をアシスティッドハッチング(AH)と いいます。 胚盤胞の透明帯を一部開口させたり、完全に透明帯を除去することにより、子宮への接着までの時間が 短くてすみます。透明帯は加齢や凍結により硬化するため、特に凍結胚盤胞移植には有効だと言えます。

タイムラプスインキュベーター

タイムラプスインキュベーターとは、一定時間ごとにカメラで撮影し、胚の成長の様子を動画のように観察できる培養器です。現在、顕微授精のみを行う方でオプションとなります。

特徴① 胚にやさしい

従来の胚の観察は、顕微鏡下で行います。そのため、顕微鏡の光、温度変化、ガス濃度の変化といった様々な要因の急激な環境変化に胚をさらすことになります。しかし、タイムラプスでは、大事な胚への外的ダメージを大幅に軽減させ、培養環境を向上させることができます。

特徴② 妊娠率の向上と妊娠に至るまでの時間の短縮

胚の成長をタイムラプスで観察すると、正常に発育する胚とそうでない胚との違いがよくわかります。従来の観察方法では、見過ごしていた胚の分割や成長速度の異常などを見つけ分かり易くスコア化します。一度にたくさんの受精卵が得られた場合は、多くの観察情報から正常に発育した胚やスコアの高い胚を優先して移植することで、妊娠に至るまでの期間を短縮、流産率を低下させることが出来ると言われています。

<KIDScore D5と着床率の相関性>

KIDScore D5と着床率の相関性

KIDScore D5のスコアが高いほど、
移植・着床の可能性が相対的に高まることを示しています。

(このグラフは、広範囲なIVFクリニックから得られた
KID胚盤胞の大型データベースを基にしています。 )